3年で3,500人以上を鉾田に集客!ファミリーキャンプ場「ほこたBASE」堀口さんの地域活性化への取り組み #6

堀口 実さん
・茨城県鉾田市地域おこし協力隊(2022年10月~2025年9月)
・ファミリーキャンプ場「ほこたBASE」経営
・オリジナルスパイス「HOKOTA SPICE」開発者
・3年間で3,500人以上のキャンパーを鉾田に集客

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ほこたBASE
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海と湖、広大な大地に囲まれた鉾田市で、ファミリー向けキャンプ場を運営しながら地域おこし協力隊として活動する堀口さん。

東京でのビジネス経験を経て、この土地との偶然の出会いから3年間で3,500人以上のキャンパーを鉾田に呼び込むという、驚きの実績を上げています。

キャンプ歴30年以上の経験を活かした地域活性化の取り組みと、鉾田への熱い想いを伺いました!

目次

どのような活動をされていますか?

主に3つの軸で活動しています!

1つ目は、ファミリーキャンプ場「ほこたBASE」の経営です。

通常のキャンプ場としてだけでなく、県や市とのコラボイベントや防災キャンプなど、テーマ性のあるイベントを企画・主催しています。

食材や飲み物は地元で調達することで、地域経済の活性化に繋がる仕組みに取り組んでいます。

2つ目は、鉾田市地域おこし協力隊として観光物産協会での活動です。

鉾田市主催のPRイベントへの参画をはじめ、新しい特産加工品の開発など幅広く携わらせていただき、直近では「ほこたdeラーケーション」という全国に先駆けた新しい地域活性化策を担当し、茨城県のモデル事業として実施しています。

3つ目は、オリジナル商品の開発・販売です。

塩を一切使わない「HOKOTA SPICE」と、それを使った「HOKOTA SPICY NUTS」を開発しました。減塩対策にも有効なので、県が推進する減塩施策「美(お)味(い)しおスタイル」にも活用されました。

この活動を始めたきっかけは何ですか?

実は偶然の出会いなんですよ。

東京で仕事をしていた時、「キャンプ場をやりたい」と話していたら、龍ケ崎の知り合いの方から「いい土地があるよ」と紹介されたのがこの鉾田の土地でした。

それから週末ごとに東京から通って開拓作業をしていたんです。

もともとはスゴい篠竹が生い茂って地元の人も近寄らない状態だったので(笑)。

首都圏からのアクセスが良く、渋滞もほぼないのが魅力的でしたね。

地域おこし協力隊については、キャンプ場を開設した後に地元の方々から教わって参画したんです。

ちょっと入口が特殊ですよね。

なぜ鉾田を選んだのですか?

土地とのご縁があったのがきっかけでしたが、通ううちにどんどん鉾田の魅力に引き込まれていきました。

まず、鉾田の人が本当に好きになったんです。

地域の人たちがほんとに優しくて温かくて、居心地が良くなっていきました。

それから子どもが先に猛烈に気に入ってしまって(笑)。

ピーマンをはじめ野菜を生で食べ始めたんです。

東京では絶対になかったことですね!

海も近くてすぐに行けるし、災害が少ないのも魅力です。

何より時間がゆっくり流れている感じがしましたし、移住者への受け入れ体制も自分に合っていました。

特に挑戦だったことや学びはありますか?

使ったこともない農機具での人生初の荒地開拓は本当に大変でした!

街に隣接する場所でのキャンプ場開設自体が大挑戦でしたね。

でも、たくさんの地域住民が助けてくれたんです。

東京ではあり得ないほど協力してくれたから実現できました。

人に助けてもらう、頼るという経験は今までしたことがなかったので、感謝しかありません。

鉾田での活動だからこそ得られたものはありますか?

地図で見れば一目瞭然なんですが、海と湖に囲まれた緑豊かな台地という、人工的には絶対できない立地の魅力がすごいんです。

この魅力に気づいた人は、どんどん鉾田をリピートしてくれていますね。

そして、地域おこし協力隊として鉾田市観光物産協会に所属させてもらったことで、市内情報や人脈を短期間で構築できましたし、地域の人々とのつながり野菜の美味しさメロンの奥深さなど、本当にたくさんのものを得られました。

鉾田はこれだけ豊かな地域なのに、知名度が極端に低いですよね。

自分も最初「鉾田」を読めませんでしたし、54年間この地を知らずに生きてきました。

今は、キャンプに来る子どもたちに、鉾田を認識してもらえているのが嬉しいです。

この地を好きになってもらえる活動はやり甲斐でしかないですね!

イベントや取り組みを教えてください

最近では「母子キャン」が印象的でしたね!

お父さんが不在でもお母さんと子どもだけでキャンプを楽しめるイベントです。

第1回の成功を受けて、全国放送のテレビ局がシリーズ化の企画を持ってきてくれたんです。

「軽トラ村」もおもしろくて、軽トラでキャンプを楽しむ集団のイベントが第5回まで続いています。

全国的な防災意識の高まりから防災キャンプにも力を入れています。

防災お笑い芸人や元芸人で消防団、防災パーソナリティで結成された「防災シスターズ3色丼」とのコラボで、楽しく学べるPOP防災キャンプを開催しています。

日本の子どもの多くがマッチを擦ったことがないという現状を受けて、キャンプを通じて親子で楽しく災害時にも役立つ知識を身につけてもらっています。

ラーケーション事業について詳しく教えてください

日本初のラーケーションパッケージ化による地域活性化を目指しています!

全国に広まりつつあり、茨城県では年間5日間、平日学校を休んでも欠席扱いにならない制度があるんです。

それを活用して、平日に親子でキャンプをしながら体験を通じて一緒に学習する新しいスタイルを提案しています。

2024年度は茨城県のモデル事業で採択された「ほこたdeラーケーション」を実施し、実績を積んで鉾田発祥モデルとして全国自治体への横展開を目指しています。

平日の観光を促進し、地域経済の活性化にも繋がるんです。

この取り組みは協力隊退任後も行政の指導を頂きながら、鉾田市観光物産協会の活動として責任をもって継続していきたいと思っています。

今後の目標やビジョンは?

まず、キャンプ場を使った鉾田への集客を継続したいですね。

3年間で延べ3,500人以上の実績を更に伸ばしていきます。

日本一の農作物と首都圏とのパイプ役も担いたいと思っています。

2025年5月から都内高齢者施設への定期マルシェへの配送も始めたんです。

引き続き、農作物の6次産業化にも取り組んでいきたいですね。

移住希望者へのサポートにも取り組んでいきたいと考えています。

具体的には、職・住まい・コミュニティの部分ですね。

空き家問題の解消と魅力ある移住先としてのアピールで、消滅可能性自治体からの脱却に微力ながらお役に立てればと思っています。

鉾田がどんなまちになればいいと思いますか?

正直、このままでいてほしいです(笑)。

というのも、日本有数の生産地ゆえ、いろんな意味で潤っているためか、ガツガツしている東京より人々の心にも余裕が感じられるんですよ。

東京のようなおしゃれな「ハレ(非日常)」の場ではなく、鉾田らしい「ケ(日常)」を大切にすれば、日本でも唯一無二の魅力的な街でいられるかなと。

そのためにも「体験」をベースとした関係人口づくりなどに取り組んでいきたいと思っています。

若い人たち人へのメッセージをお願いします

できれば一度故郷を離れて、外から自分のふるさとを感じてみてください。

日々の生活では気づかなかったことが、とんでもなく魅力的なことだと気づくことがあるんです。

そして「とにかくやってみる」が大切。完璧を求めすぎず、まずは行動してみる。きっと新しい発見があるはずです!

インタビュアーからの一言

鉾田という土地と人に惚れ込み、形にしてきた堀口さんの行動力に心を打たれました。日常にある魅力を再発見し、地域と人が共に育つ未来へのヒントが詰まった時間でした。

インタビュアー:鬼澤美妃

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